AirPen Mini

ぺんてる airpenMINI 下敷き付き限定品 EA3C-LT1

ぺんてる airpenMINI 下敷き付き限定品 EA3C-LT1

誕生日プレゼントでもらった。ペンで紙に書くとそれを電子ファイル化してくれるオモシロデバイス。仕組みは少し込み入っていて、ペンから赤外線と超音波を発信→センサーモジュールで赤外線を受けてから左右の超音波センサーが反応するまでの時間を計測→三角測量、というようなことをやっているらしい。お陰でモジュール自体はコンパクトで、タブレットのような大きなセンサーがいらないのに、広い範囲を入力範囲に取れるようになっている。放射状に大きく誤差が出てしまいそうだけれど、うまく補正しているようで気になるほどのズレは無い。というか品質はかなり高い。ゆっくり書けば、紙に書いたものをそのままスキャンしたかのような品質で記録される。
また、オフラインで200ページ程度の画像を記録することが可能でかなり実用的。
付属の文字認識ソフトの性能もそこそこで、実はこの文章もこれを使って書いてみている*1。これが面白くて、決まった場所に書く、というのでなく、机の上の好きなところで適当に書けば適切にスケーリングして、勝手に認識してくれる。次の行に書くと自動的に改行してくれるし、レスポンスは非常に良い。
これまでメモ用途にはipod touch上でTanzakuを常用していたのだけれど、完全に個人用覚書用途で、みんなと共有はしにくいし、そもそも品質も悪い。タブレットPCというのも良いんだろうけど・・・高い*2

小さくて大きいということ

とは言え、正直使ってみるまでは、「タブレットと何が違うノー? というか紙に書いてスキャンすればいんじゃー」とか思っていた。しかし、コンパクトで持ち運びが楽、現場でPC無しで使えて、帰ってきてからも余計なデバイス(スキャナなど)をいじらなくて良い、という特徴は思った以上に大きい。
新しいアイディアとかいうもの(というより僕たちの脳)は揮発性が嫌になるほど高い。ほんの一瞬邪魔が入っただけで消えてしまったり変容してしまったりする。しかもそのことが気になって、他のアイディアにまで侵食し汚染するという最悪連鎖効果つき。保存するまでの間にあるホップ数(触るもの)が増えれば増えるほど、情報の確度は下がり、エントロピーの海へと拡散していってしまう。一人でもそうなのに、それが複数となれば更に酷くなる。拡散する前に捕まえて、スピーディにどこかに保存しなきゃいけない。
しかし、普通に紙に書き出してしまうと、その場は良いのだけれど、その後の保存が大変である。共有、という意味でもいちいちコピーをとって資源の無駄遣いをしなければいけないし、個々人で保存するのも結構大変*3。今は最終的にはメールで送ったりするので、スキャナ等で情報を電子化する、わけなんだけど、それって無駄じゃん、と。
そこで PCに直接入力しながら議事録を, となる。実際最近はそういう会議も多い。けれども、電源の問題とか、セッティングの手間とか、マシンが起動するまでのレスポンスの悪さとか、ちょっとしたトラブルとか、ノイズ(いろんな意味で・・・)とか、とかく邪魔になるものは案外多い。その上、PCでの入力作業は本質的じゃないところで[出力]→[フィードバック]→[確認]というイテレーションがどうしても入ってしまう。どんなにタイプ速度が速い人でも、実は思っている以上に時間がかかる*4 *5。実はあんまりスピーディじゃない。そうこうしている間に、貴重なアイディアや思いつきなどは、どんどん頭から抜け落ちていって機会を失っていく。
結局、書くことに関しては、我々が子供の頃から訓練され、余りに慣れすぎてしまっている紙I/Fというものには、なかなかかなわないのだろう。
そういった意味で、このgadgetは面白い。紙というI/Fをそのままに、デジタルで置き換えるのではなく、弱点を相互補強するという発想。小さくて電池動作可能なので普段から机に転がしておけるし、PCの無いところにも持っていける。紙に書き込まなくても(ちょっと難しいんだけど)スタイラスでちゃちゃ、っと机とかに書き込ん(?)で情報をさっとエアライティングしたり、ともかく思いついたときに様々なスタイルで書き込んで、後から吟味できる。
小さくて持ち運びしやすいのに、使える空間は大きく、PDAメモのような応用性の低さが無い。いろいろ使い方を考えると非常に面白いgadgetだと思う。

*1:流石に時間かかるけど ^^;

*2:先立つものが、、、Jobs教からのお布施勧告が来たらつい従ってしまいそうですが

*3:僕はだらしないので更に大変

*4:本人はなかなかそれに気がつかない。インターネット時間とはよく言ったものだと思う

*5:漢字が苦手な人は逆かも・・・って僕ぢゃん